上半身裸で、シャボン玉を拭く、中年男

更年期障害。 体調はだいぶ良くなり、太ももの前側に、神経痛が残ってることのみ。 よもや、こんな場所が神経痛になるとは思わなかったものの、座って仕事や、寝てる分には、痛みを感じないので、あまり影響なし。 もし、関節や、座骨あたりに痛みが残ったら、生活に支障があっただけに、不幸中の幸い。 俺は昔から、不幸中の幸いが多い。

実家に顔を出し、お袋さんと話をしていたら、俺の後方を見て、お袋さんが「何、あれ」と。 見ると、この肌寒いなか、上半身裸で、短パン一丁の中年男が、隣の家や、向かいのビルに向かって、シャボン玉を飛ばしてる。 最近、誰か引っ越してきたのか、お袋さんに聞くと、そんなことはない、と。 いろいろと考えてみたところ、なんと、俺の同級生の可能性が。 何度見ても、まったくわからず。 が、お袋さんは、そいつの面影がある、と。 見るのは小学校以来で、同じ中学のはずなのだけど、話すどころか、学校で見た記憶が一切無い。

覚えているかぎり、そいつは、小柄で、気が弱いタイプ。母親がすごい癇癪持ちで、10代の頃、両親が離婚。 その後、そいつの話も聞かなかったので、もう引っ越したのだと思い、35年ちかく、一度も、思い出さなかった。 40代後半の初老の男、しかも同級生、が、寒いなか、上半身裸で、シャボン玉を拭く姿は、なかなかの地獄絵図。 歳をとると、内外で、いろんなほころびが、出てくるのね。

学生時代、俺は、そこそこ社交的だったし、朝寝坊すれば、起こしてもらえ、部活から帰れば、家に温かい晩メシがあり、毎日、洗濯した洋服が用意されて、高校を出たら、大学に行かせてもらい…が、当たり前のように過ごしてきたけど、もし、あいつと同じ境遇だったら、逆に俺が、全裸でシャボン玉を飛ばしていたかもしれない。 気が狂う人の気持ちもわからないでは無いけど、仕事でも、資格でも、なんかしら1つ、自分が、社会にクサビを打てれば、紙一重で、踏みとどまれるような気がするのだけど。 この歳になると、気持ちをしっかりもって、何か1つでも掴みつづけてないと、過ぎ去った時間の重みに、やられる。




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