どんどん的外れなことをして、昔の面影を失っていく両親と、
自分のやりかたや、常識が、通用しなくなっていく毎日を、
キャベツ焼を、食べながら考える。
お好み焼きの粉に、コンビニで買ってきたカットキャベツを入れ
混ぜて、フライパンで焼くだけ。ソースとマヨネーズをかけて食べる。
コツは、フライパンのまま、熱々で食べること。ソースを焦がすこと。
主食に良し、おかずに良し、ビールのおつまみに良し、間食に良し、夜食に良し。
カットキャベツ、いまや100円では買えなくなったけど、
好きなことが出来るなら、食事は、こんなもんで良いと思ってはいるのだけど。
どういうきっかけで歌い始めてるのか、良くわからんけど、この流れで、この声はやられるね。
調べたら、この方は、『レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャンを演じたことがあるほどの人、とのこと。
昔の住まいのちかく、四つ角の一角に、木造の平屋があって、夜10時くらいに通っても、家の中が見えて、白髪のお婆ちゃんが、古いミシンで裁縫をしていた。庭も程よく広く、道から丸見えで、いつも花が咲いていた。 意識して見たことは無いけれど、俺が幼稚園の頃からあったはずだし、習字に通っていたときも、その家の前を通っていた。 さっき通ったら、敷地いっぱいのワンルームアパートになっていた。 住む人も、街も、新しくなるのは分かっているけど、そんなものは見たくないので、とっととここから離れたほうが良いのかもしれない。 そうすれば、今も、あの木造の家で、婆ちゃんが裁縫してて、季節ごとに、花が咲き続ける。